いつだったか聞いたことがある。
「いい結婚式とは紡いだ時間に包まれる結婚式」だと。
泣いたり笑ったりしながら、ふたりでみんなで紡いだ時間。
それが、深い感動や親愛となって、
このときに分かちあえるように。
そして、固い縁や絆となって、このさきも続いていくように。
いつだったか聞いたことがある。
「いい結婚式とは紡いだ時間に包まれる結婚式」だと。
泣いたり笑ったりしながら、ふたりでみんなで紡いだ時間。
それが、深い感動や親愛となって、
このときに分かちあえるように。
そして、固い縁や絆となって、このさきも続いていくように。
正直、意外だった。おまえがここを選ぶとは。
たくさんの親族が集まること、遠くからの来賓があること、
なんにも考えていないようで、きちんと考えているんだな。
いつのまにか頼もしくなって、花婿の父としては誇らしいかぎり。
友達もみんなうれしそうで、
彼らといい時間を過ごしてきたことが伝わってくる。
いまこの瞬間もそうなるよう願わずにはいられないよ。
胸がぎゅっとしたの。
わたしたちのもとから巣立っていくこの日、
あなたがすごく凛としてみえたから。
明るくね。笑顔でね。でも、ちゃんと、おしとやかにね。
かけたい言葉はいくつもあったけれど。
「どうか、幸せでいて ―― 」 後姿に小さくつぶやいて、
泣き虫で甘えん坊だったあなたを思いだした。
おかしなものね。おばあちゃんも、おかあさんも、
そしてあなたも、選んだのがホテルウェディングだなんて。
立派な式場で、大切な人達と、最高な門出。
こんな素晴らしい経験は長い人生でもそうないことよ。
きっと、これまでの1日1日を慈しんできたご褒美ね。
だから、これからの1日1日もどうか慈しんで。
たくさんのご褒美がもらえるよう、おばあちゃんも祈っているから。
ほんと、変わらないな。かっこつけたがるところ。
伝統も品格もあるホテルで結婚式、
ちょっと気恥ずかしいけど、とっても満喫しているよ。
こういう雰囲気がここちいいってことは、
お互いに大人になったってことかもな。
でもさ、たまにはみんなで集まって、
学生のときみたいに馬鹿や無茶もしような。
ハッと息をのんじゃった。すごく洗練されたところじゃない。
どこにしようか迷っていたみたいだけど大正解。
もてなしは丁寧だし、しつらえは綺麗だし、お料理は美味しいし。
わたしの結婚式もこういうところで挙げたいな。
もっといえば、あなたの結婚式よりうんと素敵に、なんておもってる。
だからさ、友人代表のスピーチ、いまからお願いしておくね。
ひとりになって、ふりかえる。
わたしたち、いい結婚式ができただろうか。
もてなしやしつらえは素晴らしかった。
料理や演出も素晴らしかった。
けれど、なにより素晴らしかったのは、
ともに過ごしてきた家族や友達がたくさんいてくれたこと。
「いい結婚式とは紡いだ時間に包まれる結婚式」。
いつだったか聞いた言葉を思いだして、
また、涙がこぼれそうになった ― 。